ノミ・マダニ予防薬

ノミ・マダニ予防は動物のため、人間のためにも通年予防薬を!

近年、ノミとマダニの予防薬もワンちゃんの予防薬のスタンダードになりました。

 

しかし、中には暑い時期だけしか予防されない方もいらっしゃいます。

 

そこで今回、ノミとマダニの危険性について解説し、一年間の予防、通年予防薬の必要性をご理解いただければと思います。

 

ノミやマダニは感染症を媒介する寄生虫です

ノミやマダニは、犬に寄生すると、かゆみや炎症を引き起こします。

 

特にノミは「ノミアレルギー性皮膚炎」というアレルギーの原因になることもありますし、マダニは無理に引っ張ることにより皮膚に食いついた頭部が残ってしまい、そこから重度の炎症を起こすことがあります。

 

このように、ノミやマダニの寄生自体が犬にとって大きな負担となるものなのですが、それ以外にも予防するべき重要な理由があります。

 

それは、ノミやマダニが持つ病原体が犬に感染することで、犬に重篤な症状を引き起こすことがあるためです。

 

特にマダニが原因で感染する「バベシア症」は西日本以南ではその発生も多く、治療も非常に厄介な病気です。

 

ノミダニ予防摂取は動物のためだけでなく、人間のためにも必要です

さらに、ノミやマダニは、犬に重い病気を引き起こすだけでなく、人間にも感染症を引き起こすことがあるため注意が必要です。

 

近年、ニュースでも見かける重症熱性血小板減少症症候群(SFTS)と呼ばれる病気は、マダニから人間に感染するウイルス病で、死亡するケースも見られる非常に危険な病気なのですが、実はそのマダニは、犬にも寄生するリスクがあります。

 

今のところSFTSが犬に重篤な症状を引き起こしたケースは報告されていませんが、犬に寄生したマダニが、さらに人への感染源になるリスクはあります。

 

そのため、犬と人間が同じ社会で共存していくためにも、犬のノミ・マダニ予防はしっかりと行うようにしましょう

 

マダニ前線北上中

マダニは以前は日本でも西日本より南の地域に多くみられ、東北や北海道では市街地ではほとんど見られませんでした。

 

しかし、ここ数年は東北や北海道を含め、全国各地でマダニを認めています。

 

特に梅雨時期や秋口など、マダニの活動が活発になる時期は、市街地のちょっとした草むらや街路樹の周辺でも寄生するケースがあります。

 

もはやマダニの感染は全国どこにでもあるリスクだと考えてください。

 

ノミは年中感染します

ノミも基本的には暖かい場所に住む生物です。

 

ですので、暖かい季節だけ予防していれば良いと考えている飼い主様も多いのですが、実はノミの寄生はマダニよりもずっと広く見られており、特にネコノミは野良猫に寄生するため、かなり広範囲に人間の生活空間に蔓延しています。

 

そしてネコノミは犬にももちろん寄生しますし、犬や猫に寄生していなくても、13℃以上の気温があれば生き延びることができます。

 

そのため、冬場でも野良猫に寄生したり、機密性の高い暖かいお家の中で生息することができるため、冬でもノミの予防や必要となるのです。

 

ノミ・マダニ予防薬は動物病院処方のものを

ノミ・マダニ予防はやはり犬に予防薬を投与することが最も有効な方法の一つです。

 

ただ、予防薬といっても、動物病院で処方されるものや、ペットショップやホームセンターで売っているものもあり、様々な製品を目にするのではないでしょうか。

 

しかし、より確実に、そしてより安全にノミ・マダニ予防を実施したい場合には、動物病院で処方される予防薬を使うようにしましょう。

 

動物病院で扱う予防薬は、その安全性と有効性を医学的に検証されているため、その効果がかなりの高確率で保障されます。

 

一方、ホームセンターなどで売られているものは、有効成分が含まれていることは間違いないのですが、実際に製品としての有効性と安全性を、十分に検証しているとは言えないものがほとんどです。

 

また、そのような性質のため、有効性よりも安全性が重視されており、有効成分の濃度もかなり薄くなっていることも多く、ある程度は効くだろう、程度の効果しか期待できません。

 

実際に私の動物病院にも「ホームセンターで購入した予防薬を使っているのに、マダニに寄生した」というケースはかなり多くみられます。

 

せっかく予防をするのですから、より確実で安全なものを選びたいものです。

 

手軽になったノミダニ予防

以前、ノミ・マダニ予防といえば、犬の首に垂らす液体タイプが主流でした。

 

しかし最近では、飲み薬タイプのものや、一回でフィラリア予防も一緒にできるタイプ、あるいは一回の投与で3ヶ月の長期間予防できるタイプなど、様々な種類の予防薬を選ぶことができます。

 

背中に垂らすとかゆみが出る場合や、動き回って投与が大変な時には飲み薬タイプがオススメですし、フィラリア予防も一緒にできるものであれば、一回の投与で複数の予防ができますので、手軽でオススメです。どのような予防薬が良いか、かかりつけの先生と相談しながら決めると良いでしょう。

 

ノミ・マダニ予防薬は安全なの?

飼い主様の中には「予防薬は危険だから、予防はしない」という方もいらっしゃいます。

 

確かにノミ・マダニ予防薬はあくまでお薬ですので、100%安全とは言い切れません。

 

しかし、今の日本は犬のノミ・マダニ予防はかなり普及しており、実際にかなりの頭数の犬が予防を実施しています。

 

その中で今のところは、問題となる副作用や有害事象の報告はわずかです。

 

その一方で、ノミやマダニの感染によるリスクは、人間への感染も踏まえると高いと言わざるを得ません。その中で予防薬は非常に有効な手段ですので、獣医師としてなるべく予防を実施されることをお勧めします。

 

もちろん、狂犬病予防接種のように法律で義務付けられているものではありませんので、最終的な判断は飼い主様が行うことになります。

 

その中で、予防薬を使用しない場合は、できる限りノミやマダニに寄生されないように対策をする必要があります。

 

しかし、現在の日本では、前述のように各地で寄生のリスクがあります。そのような状況で、実際に予防薬を使わずに寄生しないように生活するのはかなり大変です。

 

予防の可否はその辺りも考慮して判断するようにしてください。

 

ノミ・マダニ予防まとめ

ノミ・マダニは、近年、全国各地で寄生リスクがあります。

 

また、犬だけでなく人間にも病気を引き起こす危険性があります。その中でノミ・マダニ予防薬は様々なものが利用でき、かなり安全で、かつ投与も簡単にできるようになりました。

 

また、ノミやマダニの生態からは、暖かい季節だけでなく、一年を通しての予防がお勧めです。

 

犬の病気を予防することはもちろん、人間への病気リスクを下げるためにも、ぜひ飲み・マダニ予防に取り組んでください。

 

-記事作成者:フォロン動物病院 獣医師-

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